一般的な機械設計エンジニアが早期リタイア「FIRE」することはできるのか?

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こんにちは!そら豆です!

近年、FIREという言葉を耳にされた方も多いのではないでしょうか?本屋さんに行くと書籍もたくさん見かけるようになりました。

FIREとは簡単に言うとお金をためて早期退職することですね。

本記事では機械設計エンジニアとして今流行りのFIREを達成できるのか考えてみました。

この記事をおすすめするのはこんな方です。

・FIREって何?

・FIREなんて普通の人には無理

・機械設計エンジニアでもFIREできるのか気になる

私の場合を想定した結論はこんな感じです。

  • 超頑張れば一般的な機械設計エンジニアでも可能性はある(かなり厳しい)
  • 普通に生活してFIREは無理
  • セミリタイアが現実的

FIREの条件というのは人によってかなり異なります。自分の状況とは大きく異なり、まったく参考にならない場合もあります。

資産形成の考え方が少しでもお役に立てれば幸いです!

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目次

早期リタイアFIREとは

FIREとはFinancial Independence Retire Earlyの略でファイアと呼びます。サラリーマンなどが定年を迎えずに退職して、不労所得などで余生を過ごしていく生き方です。

簡単に言うと、働かなくてもいい状態にして早期退職することです。

具体的に言うと40歳や50歳で多額の株式資産や不動産資産があり年間の支出を株の運用益や家賃収入で全て賄ってしまうような状況です。早い人は30歳とかで達成しちゃいますね。

一般的に資産が年間支出の25年分ほどあれば可能だと言われています。年間の支出が200万円だとすると5000万円の資産が必要になります。

さらっと書きましたが、年間の支出を200万円に抑えるのは難しいですし、5000万円の資産を築くのもなかなかハードルは高いですね。

僕はこの段階で直感的に厳しくない?と思いました笑

FIREを達成するための基本戦略

まず安心してください。FIREはアメリカでも日本でもすでに有名なので、FIREを達成する方法はすでに確立されています

簡単に言うと基本的には以下になります。

  1. 支出を減らす
  2. たくさん稼ぐ
  3. 稼いだお金を投資に回して増やす

割と普通で地味です。ギャンブルや宝くじで一発当てたり、親の資産があるような方はこんなことしなくてもいいのかもしれません。素直に羨ましいです。

今回は地道に資産を形成していく方向で検討しました。

FIREするためにやるべきこと

先ほど述べた基本戦略に則った上でFIREをするためにやるべきことは以下になります。

  • 年間の支出の把握
  • 年間支出を低くする
  • 収入を上げる
  • 投資などで資産を増やす
  • 家族との共有
  • 諦めず継続する

では、1つ1つ見ていきましょう。

年間支出の把握

まずは自分が年間どれだけのお金を使っているか把握することが重要です。

わからない方は数ヶ月の間家計簿をつけてみてざっくり1年間分の支出を見積もりましょう。

意外に使っていましたか?それとも思っていたより少なかったでしょうか?

支出は家庭環境や価値観によって人それぞれ異なります。少ないからいいとか多いから悪いと言うことでは無いのですが、FIREを達成する上では年間支出が少ない方が有利です。

1年間の支出がFIREを達成感する上での目標額になります。

年間の支出を減らす

当たり前ですが非常に重要なことです。年間の支出が少なければ少ないだけFIREのハードルは下がります。

浪費は減らしましょう。

使っていない月額サービスを解約したり、スマホを格安SIMに乗り換えたりして可能な範囲で支出を抑えましょう。

ふるさと納税などで返礼品を使ってうまく節約していくことも大切になります。

逆に必要な出費を削ってしまっては生活が苦しくなって長続きしませんので必要なお金は使いましょう。

収入を上げる

収入を上げることで投資に回せるお金が多くなります。投資に回せるお金は多ければ多いほど資産形成が早くなります。

収入が増えればいいので本業である必要はありません。本業を頑張って昇給を目指してもいいですし、副業で新たな収入源を作るのもいいですね。

年収が上がるのであれば転職するのも1つの選択です。

人によっては転職することで退職金が減り、生涯賃金のトータルがマイナスになる可能性もあるので注意です!

ただし、収入が増えてもその分使っていてはFIREまでの時間を短縮することができません。

むしろ年間支出が増えることでFIRE達成に必要な資産額が増え遠ざかることになりかねませんので気をつけてください。

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投資などで資産を増やす

皆さんは自分の生涯賃金を把握されていますか?生涯賃金を把握されている方はその内、生涯に手にすることができる手取りがいくらかまで考えてみてください。

2億円もない方が多数ではないでしょうか。私も全然届きません。私の場合、多分1.5億ぐらいです。

FIREと同時に億り人なんて言葉も聞きますが、大半の人は毎年、手取りの半分以上の貯金をしても退職時の貯金額は1億円に届きません。退職金を入れたら届くかもしれませんが、年々退職金が減っていることを思うと私たちが退職するときの退職金はあまり当てにしない方が良さそうです。

このことからサラリーマンが本業だけの収入から1億円貯めることはとてつもなくハードルが高いことがわかります。

そこで必須となってくるのが資産運用です。株式投資や不動産投資などです。

仕事で稼いだお金を投資に回して資産を増やしましょう。

家族との目標の共有

あなたが家庭を持っている場合、もしくはこれから家庭を持ちたいと思っている場合、家族間でFIREという目標を共有しておきましょう。

特に投資戦略や倹約生活には家族の協力が欠かせません。

新築マンションが欲しいとか節約生活が貧乏くさくて嫌だとか家族の協力が得られず破綻したと言う話はよくある話です。

ここで協力を得られない場合、FIREへの道がかなり遠ざかります。

諦めず継続する

僕が一番難しいと思うことは、FIRE達成まで自分の計画通り継続することだと思います。

収入も簡単には増えないですし、支出を減らすにも限界があります。資産運用もリスクをとっても劇的に増えるわけではありません。

FIREまでの道のりは極めて地味です。

いつも計画通りに進められるとは限りませんし、FIRE達成までは十年単位の時間がかかるので最後まで貫き通すのはなかなかの忍耐力が必要になります。

一般的な機械設計エンジニアの僕の場合

ではここからは僕の場合、どうなるか予想してみました。僕の状況はこんな感じになります。

  • 29歳(2021年時点)
  • 地方在住(家賃8万円程度の賃貸)
  • 社員800人規模のメーカーに勤務
  • 妻(パート)との2人暮らし
  • 世帯収入580万円(手取り480万程度)
  • 年間支出300万程度

妻がおり子供はまだいませんがゆくゆくは2人ぐらい欲しいと考えています。妻は僕の扶養に入っており、パートで年間100万円程度の収入です。

僕と妻の手取りは480万円程度です。年間支出は妻と2人で300万円ほどです。

単純に計算すると年間の貯蓄額は180万円となります。頑張れば200万円いけるかなって言う感じです。こうして考えると割と優秀な家計ですが、子供が産まれて妻が仕事を辞めると僕自身の昇給を加味しても年間の100万円貯金するのがやっとでしょう。

収入は40代で課長レベルになれたら750万円ぐらいなので給与テーブルもすごく多いというわけではありません。

僕は超インドアで趣味も読書とお金はあまり使いません。新入社員の時から年間100万円以上貯金してきました。妻と二人で30歳で1000万円資産を作り、それからは年間100万円ずつ投資し、株式で年利5%で運用していくと想定します。

資産運用のシミュレーションはググれば出てきますので試してみてください。

すると50歳で資産6000万円ほどとなります。年間4%で取り崩すと240万円となります。

頭のいい人たちが考えた4%ルールと言うものがあります。ある程度の株式資産があれば年4%程度の利率で運用できるので、4%取り崩しても高確率で30年後も資産が残るという考え方です。

今の年間支出が300万円程度なので60万ほど足りませんが、働く期間を長くしたり、年間支出を減らしたりして少し調整すれば子供が社会人になる頃にはFIREを達成できそうです。

ただ、この場合余裕はほとんどありません。急な出費が必要なときもあるでしょうし、贅沢しあります。それに子どものこともあります。

僕は株式で不労所得を得つつ適度に働くセミリタイアが現実的だと思います。

FIREではなくセミリタイアが現実的な理由

あくまでも僕の場合ですが、なぜFIREではなくセミリタイアなのかというと子供との時間を大切にしたいからというのが理由になります。

子供にお金がかかる

子供にはお金がかかる物です。習い事もさせてあげたいし、大学も行かせてあげたいです。もしかしたら浪人することになるかもしれません。

何か夢ややりたいことができたら可能な範囲で応援してあげたいですし、お金を理由にやりたいことを諦めさせたくありません。

妻の意向もあるので僕が想定しているよりもお金がかかりそうです。

子供と過ごせる時間と重なる

子供と過ごせる時間は20年程度です。僕はできるだけ自分の子供の成長を見ていきたいと考えるタイプです。

FIREのために本業や副業に打ち込むと子供と過ごせる時間が少なくなる可能性があります。もちろん稼がないと養っていけないのである程度は頑張って仕事をしますが、残業で子供の起きている時間に帰れないことが常態化するのは避けたいです。

それに子供と出かけたりして一緒に色々と体験するにもお金がかかります。旅行やレジャーは子供のうちにしかなかなかいけないのでお金も時間もある程度かけたいです。

妻が嫌がる

これは余談ですが、僕の妻は浪費家ではありませんが、倹約家でもありません。

極度に質素倹約は普通に嫌がります笑

大多数の人と同じことをしていても早期退職はできない

今回考察して改めて分かったことですが、FIREと言うものは普通に生活していて達成できるものではありません。

独身を貫くとか親から莫大な遺産が入ったとかで無い限り、FIREを達成するにはかなりの取捨選択をしなくてはなりません。

大多数が思い描くような理想の生活ばかり追い求めていてもいけないわけです。

極端に言うと以下のどれかができるとFIREは達成できると思います。

  • 質素倹約で地味な生活を家族でしていく
  • めちゃめちゃ稼ぐ
  • 投機的運用で大きくリスクを取り資産を築く

こんな感じです。

大半の人はここまで振り切るのは難しいのではないかなと思います。大多数の人が想像するような一般的な生活ではFIREの達成は厳しいですね。

FIREすることが幸せなのか

一度しっかり考えておきたいのがFIREをすることが本当に自分や家族にとって幸せなのか。FIREを達成した後、どのように過ごすのかということです。

人によってはFIREまでかなり苦しい道のりですが、FIREしたとしてもそれからの生活が幸せとは限りません。

逆にFIREでなくとも幸せそうな人はたくさんいます。

今の仕事が嫌でFIREしたいということなら、時間をかけてFIREするよりも転職していい環境で働く方がよっぽど手早く実現できます。

僕は転職して今のロボットシステムの設計の仕事は楽しくて好きです。なのでFIREできる状況にはなりたいですが、すぐにでもFIREしたいとは思っていません。

それにメカ設計はお金がかかります。会社のお金で数百万、数千万、ときには数億規模のプロジェクトができるのは組織に所属していてこそできる経験だと思います。

また、仕事を辞めてして何もしなくなると一気に老けてしまうような人もいます。

FIRE後何もしないとスキルはつきませんし衰えます。するとFIRE後にお金が足りないことに気づいて仕事をする必要が出てきた時に企業に雇ってもらえない可能性があることにも注意が必要です。特に最近は技術の進歩が早いのでエンジニアは注意が必要です。

年金の受給額は減っていきもらえる時期もどんどん遅くなっています。2021年に厚生労働省は企業に対して70歳まで雇用することを努力義務にしました。僕たちは75歳や80歳ぐらいまで働かなければいけないかもしれません。

また、どこかでリーマンショックのような暴落が起きて資産の半分以上がなくなる可能性も十分あり得ます。早期リタイア後に暴落が来た時どうするかも考えておかないと困ったことになります。

そんなことを考えると人によってはFIREをしても経済的不安から安心して生活することは難しいのかもしれません。

なので僕は一般的な機械設計エンジニアの場合、セミリタイヤやサイドFIREと呼ばれるような状態を目指すのが現実的では無いかと思います。

本業で稼ぎつつ、子供が独立する頃に株式から年100万円ぐらいの収益を得て生活し、転勤命令とか、仕事環境が悪くなれば退職して年150〜200万円程度稼げる別の働き方をすればいいと考えています。

150万程度であればアルバイトでもいいですし、機械設計エンジニアなら余裕で達成できます。

30歳で1000万円投資にまわし、追加で月1万円積み立て投資で年利5%なら50歳時点で資産は3000万円以上になるので十分達成可能です。毎月の積立額を増やせばもっと早い段階でセミリタイアは可能でしょう。株式市場の調子が良ければ年利7〜9%ぐらいで運用できる可能性もあります。

セミリタイアでなくとも老後資金として貯めておいてもいいと思いますし、年金以外に年間100万円の収入があることはかなり大きな安心に繋がるはずです。

まとめ

一般的な機械設計エンジニアでもかなり頑張れば50代でFIREすることは可能です。

しかし、子供の養育費やFIRE後にお金が足りなくなった場合などのリスクに備えて現実的にはセミリタイアを目指すことをお勧めします。

本業で稼ぎ、倹約して支出を減らし、浮いたお金を投資することでセミリタイアは十分可能です。

ただし、FIREを達成し本当にあなたやご家族が幸せに暮らしていけるかじっくり考えてください。

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