今回は私の個人的な悩みをつらつらと書いていこうと思います。
悩みとは「今後の機械設計エンジニアとしてのキャリア」です。
タイトルのように「量産品の設計者としてのキャリア」を目指すか、「生産技術的なポジションで自動化やロボットSIerとしてのキャリア」を目指すかです。
前職の電機メーカーで量産品の製品設計をしてきた経験と現職の金属メーカーの設備設計者として自社設備の自動化してきた経験からそれぞれいいところ、面白いところがあり悩みます。
どちらも設計するという意味では同じなのですが規模や要求される要素が違います。
漫画で言うならバトル漫画も面白いけどサスペンス漫画も面白いよねみたいな感じです。
まずは製品設計と自社設備の設計のそれぞれの魅力を考えたいと思います。

製品設計の魅力

量産設計の魅力はやはりたくさんの人に自分の設計した製品使ってもらえることです。
場合によっては世界中に売られています。
自分が設計した製品が世界中で使われているというのはなんとも感慨深いものです。
会社によってはホームページで公開されたり、パンフレットに載ったりします。
主力製品に関わることができれば会社の売り上げにも大きく貢献することができます。
製品設計の難しさ

量産品は高い品質レベルが求められます。
量産品ともなると構造だけでなくネジの数やサイズ、種類までかなり細かいところにまで気を配って設計しなければなりません。
顧客の要求を満たした設計をするためチェックリストや社内設計基準に沿った設計をし、たくさんの評価試験や関係者(営業部門、品証部門、メンテナンス部門、工場部門など)からのデザインレビューを乗り越えて完成度を高めます。
JIS規格の評価試験だけでなく自社独自の試験を設けているメーカーも珍しくありません。
簡単な製品や設計変更でも評価を全てやり直したりレビューを受け直したりして1年以上かかることも珍しくはありません。
またコスト意識もかなり必要になります。
量産設計をしていた頃は100円や10円のコストを下げるために2個使っていた部品を1つにまとめたり、金属部品を樹脂部品に変えたり、ネジ止め箇所を1つ減らしたりと他にもあの手この手を尽くしていました。
そうやって評価した製品ですら5年、10年と年月がたてば不具合を起こしクレームとなることも珍しくありません。
品質が悪いとクレームにつながり、会社の評判が下がります。
設計者もクレーム対応で精神的に追い込まれてしまう人もいました。
中には不具合を恐れてだんだん挑戦的な設計や新技術の導入をしなくなる会社もあります。
自社設備自動化の魅力

自社製品なので要求を気兼ねなく聞けますし、設備を使用している人から直接お礼の言葉を聞けるようなこともあります。
自動化そのものに面白さもあります。
今まで人の手で行っていたことをロボットや駆動ユニットを駆使して自動化を行います。
動きがある設備というのは難しさもありますが、設計している最中からとても面白いです。
工場の自動化というのは今後のトレンドの一つです。
自動化の技術を持っていると市場価値も上がると確信しています。
自社設備の自動化を経験することで最近伸びているロボットシステムインテグレータのような仕事に転職するようなこともできます。
ロボットシステムインテグレータについてはこちらの記事を参考にどうぞ。

自社設備自動化の難しさ

自社設備は気軽に要求変更などが発生します。
構想していた設計を大きく変更しなければいけなくなるようなこともあります。
基本的に世の中にある機械部品を組み合わせて1つの設備を作ります。
コストにはある厳しいですが、購入品が多くなるので費用は嵩みがちです。
でも自社設備の開発、特に生産設備の開発はよっぽどの大手でもないと予算が少ないことも多々あります。
まるっとすべて自社開発するというのも生産技術は開発に比べて少人数で設備設計を進めることが多く、マンパワー的にも納期的にも難しいです。
また自動化には機械、電気、ソフトの知識が必要になります。
それぞれの専門家になるのも大切ですが知識の幅広さも要求されます。そうでないと仕事が進まないのです。
1つの分野の習得も大変なのに他の分野もとなると正直時間がいくらあっても足りません。
ロボットSIerなんて言葉もできて最近では少しずつ認知度は上がってきました。
ただし、自動化の需要は年々増えていっている一方、エンジニアの数は足りていません。
むしろどんどん人が少なくなってます。
関連記事:機械設計エンジニアは人気がない!?人材不足の現状と将来性
特に自動検査のための画像処理やデータを収集して解析するようなAIやIT系のエンジニアの数が足りていないのが現状です。
時代の流れがどんどん早くなり、技術の変化も早くなっています。
常に先端技術にアンテナを張ってついていけるように勉強していかなければなりません。
どちらも楽しい

製品設計も自動化もどちらも楽しいんです。
どちらもやれればそれに越したことはありませんが、なかなかどちらもさせてくれるような企業はないのではないでしょう。
ショベルカーやロボットのような製品設計もしたいですし、ロボットや駆動ユニットを使用して生産設備の自動化もしていきたいです。
どちらか割り切るのは難しいですが、どちらの仕事でもある程度満足できるかなとも思います。
なら次の転職の時は仕事内容はこの2つに絞ってあとは待遇を優先すればいいかななんて思ったりもしています。
では方向性が決まったらまた記事にしたいと思いますので乞うご期待!
やめたくなった話は以下の記事を参考にどうぞ!
