こんにちは!
今回はピックアンドプレース用のロボットシステムを導入した経験から、ピックアンドプレースについて解説した記事を作成しました。
ロボットを導入して代替する代表的な作業の1つがピックアンドプレースになります。
そしてピックアンドプレースにはこういった難しさがあるんです。
- 対象物によっては専用でオリジナルハンドを設計しないといけない
- 精度が必要な場合、使える機器が限られる
- 単純作業なので数が出ないと導入効果を実感しにくい
これからロボットを使ってピックアンドプレースのシステムを設計をしたり自動化を検討していたりするなら是非ご参考にどうぞ!
ピックアンドプレースとは

ピックアンドプレースとはピック(掴んで)してプレース(置く)という読んで字の通りの動作のことを言います。
産業ロボットは溶接と並んでよく使用されるハンドリング用途のロボットになります。
例えば、以下のような動作に使います。
- ある部品を掴んで、工作機械にセットする。できた物を取り出す。
- 箱に入った部品を物を別の箱に入れたり仕分けする(手で掴んで置くようなイメージ)
- パレット上の段ボールをコンベヤにおく
こちらの動画を見ればイメージがつかみやすいと思います。
こういった基本の動作なので業種や作る物問わず、どんな場所でも目にしますよね。
そんな簡単な動作わざわざロボットでさせなくても人間がすればいいんじゃないの?って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、簡単な動作だからこそロボットに置き換えやすく、導入コストを抑えることができます。
先程の工作機器の例だと、基本的に工作機器に入れたような時は完了するまで待ち時間が発生します。待ち時間が30分とか1時間とかあればセットしてから別の仕事をしていればいいですが、加工時間が時間が2〜3分の場合その場を離れずに待って次々に入れ替えるような作業になります。
実際入れ替えるのは数秒なのにその場を離れることもできず、特に何もできない待ち時間が発生することになります。時間がもったいないのは当然として、作業者の精神面にもよくありません。現場の人ほど無駄な待ち時間を嫌います。なぜこんな無駄な時間を過ごしているのだろうと仕事に不満を持つ人もいるでしょう。
ハンドリング用途のロボットハンドは各種メーカーが開発していて充実しているのもピックアンドプレースを産業ロボットに置き換えやすい理由の1つです。
ロボットは半完成品なのでハンドや他の周辺機器はロボットメーカーとは別で揃える必要がありますが、最近はロボットメーカーとパートナー関係を結んでハンドもロボットと一緒に選んで購入することができます。パートナーが充実しているかどうかもロボットメーカーを選ぶポイントの1つですね。
ハンドを一から設計するのはかなり大変です。
ロボット以外のピックアンドプレースユニット

ピックアンドプレースは産業ロボット(垂直多関節ロボット)でなくても実現可能です。産業ロボットのほかに電動シリンダを組み合わせてXYZの3軸で移動させるものや上下をエアシリンダで動作させて把持したらモーターで90度回転させるような機構のものもあります。
特徴として多関節ロボットに比べると汎用性はありませんが安価です。
目新しいものではないのでモーターやシリンダなどの駆動機器メーカーとかだとユニットで販売されているところも多いです。
依頼すると自社用にカスタマイズして設計して販売してもらうようなこともでき、導入も簡単です。
ピックアンドプレースの難しさ

ピックアンドプレースはロボットに置き換えやすい作業ではありますが、とはいっても当然難しさはあります。
例えば、以下のような点です。
- 対象物によっては専用でオリジナルハンドを設計しないといけない
- 精度が必要な場合、使える機器が限られる
- 単純作業なので導入効果を実感しにくい
ピックアンドプレースは掴む物の形や種類で難易度が大きく変わります。形状が安定している図面部品などは得意ですが、食品や不定形の物は苦手です。
また精度を必要とするなら吸着パッド型のハンドは吸い込む時や離す時の位置ずれがあるので使いにくくなります。
そしてピックアンドプレースは単純な作業だけあってずっと稼働できるようなラインでもない限り費用面で効果を感じにくいです。
まとめ
ピックアンドプレースはロボットや他の自動機に置き換えやすい代表的な作業です。
ただし以下のような難しさもあります。
- 対象物によっては専用でオリジナルハンドを設計しないといけない
- 精度が必要な場合、使える機器が限られる
- 単純作業なので導入効果を実感しにくい
どこでも見かける作業なのでぜひ身の回りでピックアンドプレースの置き換えをできる場所がないか探してみてください。

