こんにちは!筐体設計者から転職してロボットシステムの設計をしているそら豆です!
今回はロボットの安全教育として教示講習に行ってきた体験をもとに記事を作成しました。
僕は会社で安川電機さんのロボットを使っているので安川さんの講習に行きました。
別メーカーのロボットの導入検討として川崎重工業さんの安全教育も受けたことがあります。
ちなみに三菱さんのロボット講習も受けました。
ロボットを操作するのってたまりませんね!
今回はロボットの教示講習で学んだことや感想をお伝えします。
この記事ではこんな疑問にお答えします!

・教示講習って何?
・合格は難しいの?
・取得すると何ができるようになるの?
結論から言うとこうなります!
- 教示講習とは安全にロボットを操作するための講習です。
- 決められた時間の講習を受ければ誰でも修了証がもらえます。
- 取得することでロボットの操作ができるようになります。
- メーカーのロボット工場見学ができるならそこで教育を受けると非常に楽しいです
では1つずつ見ていきましょう!

安全教育・教示講習とは

安全教育・教示講習とは産業用ロボットを動かすためには受けなければならない講習です。
会社によって呼び方は少し異なるようです。安川電機さんは「教示等特別教育」、ファナックさんは「安全衛生特別教育」となっています。
なぜこの教育が必要かというと産業ロボットは適当に操作すると非常に危険だからです。正しい知識のない人が適当に操作しては大きな事故につながる可能性があります。
だから労働安全衛生法でロボットを操作する人は安全衛生の教育を受けなければならないように決められています。
つまり講習を実施している機関で講習を受講して修了証をもらわないとロボットを動かすことができません。
各メーカーでロボットスクールを実施していたりロボット講習だけしているような機関もあります。
費用は受ける所によります。僕は安川さんが実施しているロボット講習で4万円程度かかりました。メーカーが実施している講習は比較的高いようです。
この講習を受けたからといって実践的なティーチング力がつくわけではありません。
メーカーによって操作方法も違います。
あくまで安全に扱うための心構えと操作を覚えると行ったことを目的とした講習です。
特別教育は履歴書の資格蘭に書くこともできます。
講習内容

座学と実技があり座学ではロボットの歴史や種類、事故事例などを学びます。
安全のためにどういう対策が必要なのかといったことも勉強します。
ロボットシステムを設計する人は安全柵やパトランプ、ブザーなどの周辺機器にも関わってきますね。
実技では実際にロボットをティーチングし、指示されたように動かしました。
使用したのはMOTOMANのGP-8という8kg可搬の小型の産業ロボットです。川崎重工業さんはRS007という7kg可搬のロボットでした。
安全教育では5~8kg可搬ぐらいのロボットを使うことが多いようです。
僕は搬送系の講座を受講したので演習は安川さんは吸着パッド、川崎さんはチャックでブロックを移動させました。
先輩は磁石で引っ付けて移動させるロボットハンドでの演習だったみたいです。
if文とかfor文のようなプログラミングで使うような制御構文はこの講習では使わず、シンプルにA地点からB地点へ動かすといった内容でした。
制御構文も使ってみたかったのですが、日程も2日間だったのでそんなに難しいことをしている時間もないので仕方ありませんね。
後に三菱ロボットの教示講座も受けましたが内容は似たようなものでした。
講習の難易度

難易度は高くありません。
全然できなくても修了証はもらえます。
操作に慣れていないと置いていかれるような場面は何度かありましたが、僕は少人数(3人)で講習を受けていたのでつまずく度に先生にわからないことを聞けました。
川崎重工業さんはたまたま1対1で受けられて本当に楽しかったです。
受講料も払っているのでわからなければどんどん講師の先生に聞きましょう。
わからなくても講義はどんどん進んでいくので早めに聞くのがベストです。
この講習で単純な動きをロボットにさせることができるようになります。
使いこなせるといったレベルになるわけではありません。
そして、使わなかったら当然忘れます。
産業ロボットの操作は直感的にわかりにくい部分があるので、操作方法を忘れると誰かに聞いたりサポートセンターに電話したりと手間になります。
ロボットの操作方法を全て理解し、思い通りに使いこなすことの難易度はかなり高いです。
でもティーチングペンダントで簡単な操作は講習を受ければできるようになります。
感想

ロボットでできることやロボットの動かし方はメーカーごとに異なりますし、使う機種にもよっても異なります。
正確に扱わないと事故につながる可能性があるので、十分注意する必要があります。
自分の設計したロボットシステムで誰か怪我をしたとか想像するだけでも嫌ですよね。
一度専門の方に教えてもらうのが一番効率がいいです。疑問に思ったことでもすぐに答えてもらえます。
僕の場合はコロナ禍で3人で受講しました。
ずっとティーチングペンダント抱え込んでいたので講習の中だけでもだいぶ慣れることができました。
安川電機さんのロボットを使っていましたが、思ったより操作性というかユーザーインターフェイスがあまりよくないなーと感じました。
あと、ティーチング内容が単純すぎてやはり実践向けではないですね。
講習で覚えた内容でも使えますが、さすがに何百万もするロボットを使うにしては勿体なさすぎです。
各社ロボットはかなり作り込んであるので、やれることはかなり多いです!
できることは各社大きな違いはないのですが、ティーチング方法や命令文などが異なります。
例えば安川さんはティーチングペンダントでプログラムを作りますが、三菱さんや川崎さんはPCでプログラムをゴリゴリ書いていきます。
そして受講するならメーカーの本社や一番大きな施設で受講することが望ましいです。
なぜならだいたいのメーカーがロボットシステムの展示をしていてショールームの見学ができるからです!
場所の関係もありますが、ぜひショールームなどの見学も参加したいものです。
まとめ
ロボットの安全教育・教示講習はこんな講習です!
- 教示講習とは安全にロボットを操作するための講習です。
- 決められた時間の講習を受ければ誰でも修了証がもらえます。
- 取得することでロボットの操作ができるようになります。
これからロボットでしたことなんかも記事にしていこうと思いますので乞うご期待!