みなさん、こんにちは!
今回は安川電機製ロボットYRC1000を動かして作業させるときのロボットの動作の種類とその経路とタクトタイムの確認の仕方についてお話します。
この記事ではこんなことがわかります。
- 安川電機製のロボットはどんな動作があるのか
- どうやってタクトタイムを確認するのか
では、詳しく見ていきましょう!
動作の種類
A点からB点に移動するロボットの動作は以下のような複数の種類があります。
- MOVJ:緩やかな円弧を描きながらの移動
- MOVL:A点とB点を結んだ直線状をまっすぐ移動
- MOVC:C点を追加しA点とB点とC点を結ぶ円を描きながらの移動
1番はロボットのモーターが一番無理なく効率的に動く経路になっています。弧を描くような動きになり、速さは最大速度の何%かで指定します。
速さはモーターによって最大速度が異なります。同じパーセンテージで設定しても速度が同じになるわけではないので注意です。
動きの予測が難しいので、狭い空間での移動や途中に障害物があるような場合はぶつかってしまう可能性があります。装置などにぶつかってしまうと大変ですよね。
そのような場合に使用するのが2番の直線動作になります。ただしこの時の速さはmm/sで指定します。
3番は円筒形状のワークを溶接するようなときに使用します。ピックアンドプレースのような動きではMOVJとMOVLだけ使えれば困りません。
タクトタイムを求めるには
ロボットの動作はMOVJが最も速くなるのですが、前述のようにパーセンテージでの設定となるためタクトタイムを予想するのはかなり困難です。
実機にタクトタイムの予測機能はなかったと思うので実際に動作させてみて測定するまでわかりません。
そこで活躍するのがシミュレーションソフトのMotoSimEG-VRCです。これを活用することで動作経路のタクトタイムが簡単にわかります。MotoSimEG-VRCについてはこちらの記事をどうぞ。
タクトタイムを上げるには単純に速度を変えるのではなく、移動する経路を変更するほうが効果的な場合もあるのでシミュレーションでいろいろ試してみることをおすすめします。
侵入禁止エリアを設ける
YRC1000では動作エリアを限定することができます。ロボットの可動範囲に直方体のエリアを設けて進入禁止とします。侵入するとアラームで停止します。
ティーチングするときに最初に設定しておくことをお勧めします。
際どいティーチングをせざるを得ないような場合には重宝します。ロボット座標を間違えて反対に動かしてしまうなんてこともありますからね。。。
装置や天井などの障害物に当てたくないときや安全柵とロボットの距離を縮めたりするときに使用できます。
とはいっても安全のためロボットの停止位置と柵の隙間は500mmは設けましょう。設備よりも何よりも人の安全最優先です。